おいのおいは「老い」である。
現在、私の両親と女房の両親は健在である。
しかしながら、昭和五年生まれの実父を筆頭に、いよいよ介護を考えなくてはならない時期がきている。
今年になって、それを考えさせられる事件がいくつかあった。このブログにも書いたが・・・
1、
実父が浴槽から出れない。
同居の実母から後で聞いた話だが、数時間浴槽に浸かって気持ち良くなったのか寝てしまったようで、逆上せが原因か?
親父は背は小さいがガタイがいいんでお袋一人で到底浴槽から出すのは不可能。
近所のかかりつけ医に連絡し、先生や看護師数名に助けて頂いた。午前中の事だった。
2、
実父が道路に座りこんで動かない。
近所を散歩中、同じ場所を行ったり来たり、最後は疲れてしまい座り込んだようで、母、近所のおばちゃん、隣りに住む弟家族が手を貸して自宅に戻そうとするが動かない。
私が車椅子を持参し、弟と半ば強引に親父を車椅子に座らせ、自宅まで。21時頃の事だった。
いずれも認知症が原因。
最近では、近寄ると小便臭い。下の世話も必要になった。
3、
義父は骨髄性小児麻痺で子供の頃、風邪と同じような症状で高熱を出した後立って歩けなくなったそうだが、外出はセニアカーで移動し、自宅では四つん這いになって歩き、移動する。
今やセニアカーがあるが、ひと昔前まで自転車屋にオリジナルの変速ギヤ付きの手漕ぎ車椅子を作ってもらって乗っていたそうだ。
何をやるにも足の代わりに手を使うので、腕が太い。背中は逆三角形に見える。
ある日、浴室から「おーい!」「おーい!」と声がするので行ってみると…
爺さんが倒れたまま動けなくなっている。
どした?爺さん
腕に力が入らねぇ
動けねぇから悪んだけど手貸してくれ!
脱衣所まで引っ張り出すが、その後も移動が困難。タオルに乗ってもらい居間までタオルごと爺さんを引っ張って移動。
実は、爺さん左胸から肩甲骨の辺りまで帯状疱疹。
痛みと共に腕に力が入らないようで、腕に力が入らないと爺さんにとってどうにもならないようで、四つん這いにもなれないし、座った状態から車椅子に乗り移る事も出来ないようだ。
翌朝、今度はトイレから声。
床に座った状態から便座に手を掛け、腕の力で便座に座るか、腕の力を借りて足を伸ばし、立った状態で小便。
これが出来ずトイレの床に倒れた。便座に手を掛けても腕に力が入らないんで、それ以上身動きできないようだ。
これは困った。
小便は尿瓶でも大きい方は簡易便器を使うしかないのか…
さらに、帯状疱疹の痛みが続くようで、夜中に婆さんを起す。
そして、痛みが我慢できないようで救急車。
強い鎮痛薬と睡眠薬。
睡眠薬なんて使ったら、身体全体に力が入らずフニャフニャ状態。
トイレは自力で行けず、婆さんが下の世話をするようになる。
発症から約三ヶ月。
最近では、自力でトイレに行けるように回復したが暑い事もあってか、少しトラウマになったのか浴槽には入ってないようだ。
他人事のようだが、正直言うと他人事であってほしい。
事実、本人も介護が必要なんて思ってないし、介護してほしいと思ってない。
でも、でも…
いずれにしても、近い将来、介護が必要になるのが目に見えている。
介護。
難しい問題だと思う。
介護施設に入るも金が掛かる。
金が掛かるが、その介護施設すら不足している。
その前に、介護をする者も不足していると聞く。
介護者の給料が安いという話も聞いた事がある。
自宅介護も介護される側の思いやプライドがある。
老老介護。
介護する方も付きっ切り。寝る時間もないと聞く。
自宅介護をしていれば仕事が出来ない。
って事は収入がない。
生きていけない。
ストレスだけがたまる。
難しい問題だ!
だけど、現実。
俺は、昨日まで元気だったのに・・・と、ポックリいきたいな。
介護なんてしてほしくないし・・・。